Combined resection of left atrium for lung cancer.

原発性肺癌12例 (扁平上皮癌11例, 腺癌1例), 腎癌肺転移1例に対し左房合併切除術を施行した。12例で術後病理学的に左房浸潤がみられた.左房への浸潤形式を, 心膜から直接左房壁に浸潤する壁型, 肺静脈基部をへて左房に浸潤するPV型の2型に分類し, それぞれの特殊型としてpolypoid typeを設けた.壁型は3例, PV型は9例でPV型の1例はpolypoid typeであった.術前診断は壁型では全例可能であったが, PV型では9例中2例のみであった.壁型の1例で術中の壁損傷から体外循環を使用せざるを得なかったが, 他の12例は鉗子切除可能であった.壁型では安全をはかり, 体外循環の使用を考慮しておくべきと思われた.2年以上生存例は2例で, いずれも扁平上皮癌で, 1例はNO, 相対治癒, 他の1例はNl, 絶対非治癒で合併放射線療法施行例であった.組織学的に左房浸潤のみられた原発性肺癌11例の中間生存期間は15ヵ月, 5年生存率は9.2%であった.