OVARIAN METASTASIS AFTER CURATIVE RESECTION OF COLON CANCER

転移性卵巣腫瘍は胃癌原発で認められることが多いが,大腸癌原発は比較的稀である.今回,われわれは大腸癌治癒切除後卵巣転移をきたした1例を経験したので報告する.症例は46歳,閉経前女性.盲腸癌の診断で結腸右半切除術を施行した.病理所見は中分化腺癌, se, ly2, v0, n(-), stage II,根治度Aであった.術後5-FU (500mg)/levofolinate (250mg)療法を6週投与1週休薬で3クール施行後5-FU 150mg/day内服投与した.術後17カ月下腹部膨満出現し,精査の結果卵巣腫瘍,子宮筋腫と診断され,子宮全摘・両側付属器切除施行した.術中腹膜転移を疑わせる所見は認められなかった.病理組織学的には右卵巣に高～中分化な腺癌を認め,免疫染色でサイトケラチン7陰性, 20陽性で盲腸癌の卵巣転移と診断された.リンパ節転移は認められなかった.術後CPT-11 100mg/week 3回投与後S-180mg/day投与中でPETによる全身検索では再発・転移を疑わせる異常所見なく,卵巣摘出術後14カ月健在である.