インテグレートサンプル導入システムとガス希釈システムを搭載したICP-MS による高マトリックス地質試料の多元素分析

Chishitsu chosa kenkyu hokoku(2023)

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摘要
誘導結合プラズマ質量分析器(ICP-MS)の発展により,さまざまな地質試料の多元素分析が行われるようになってきた.しかし,高マトリックス試料を効率的に迅速に分析することは依然として困難を伴っている.そこで本研究は,高マトリックス地質試料の迅速分析を目的として新たに導入したAgilent 7900 ICP-MSのパフォーマンスと,各種設定値の調整結果を報告する.ICP-MSにはコリジョン/リアクションセル(CRC),ガス希釈による高マトリックス試料導入(UHMI)システム,第三世代のインテグレートサンプル導入システム(ISIS3)を搭載した.まず,CRCによる効果的な分子干渉の抑制を目指して,Heガス流量の最適化を行った.その結果,4.5 mL/minのHeガス流量において,最適なバックグラウンド相当濃度およびブランク/標準試料比を得ることができた.UHMIシステムはマトリックス効果を抑制し,さらに二価イオン,酸化物イオン,プラズマ由来の分子イオン,酸由来の分子イオン,マトリックス由来の分子イオンによる干渉抑制にも効果を発揮する.本研究ではHMI-8モード(10倍希釈)を用いた時の効果を検討し,UHMIシステムが酸化物イオンとマトリックス由来の分子イオンの抑制に特に効果的であることを確認した.なお,高マトリックスの地質試料に対しては,内標準によるマトリックス効果の補正は有効でない.そこで本研究はマトリックスマッチング法を適用した.地球化学標準物質JB-1aを元とする溶液に,Li, Be, Ni, Cu, Zn, As, Mo, Ag, Cd, Sn, Sb, Cs, Tl, Pb, Biを添加することで,標準液を調製した.ISIS3を用いたルーチン分析として50試料中の42元素を測定した場合,従来の水希釈による試料導入装置と比較し,測定時間を約80分短縮することができた.ICP-MS本体およびその周辺装置について各種設定値を最適化し,8つの地球化学標準物質中の42元素の測定を行った結果,参照値と同等の測定値が得られることを確認した.
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